「休眠預金、最前線」。で、この先はどうなる?~ファンドレイジングサロンでお話したこと~

 ◆休眠預金、最前線

少し前の話ですが。日本ファンドレイジング協会主催の「ファンドレイジング サロン」でお話しました。

テーマは「休眠預金 最前線」。

私は

  • 休眠預金未来構想プラットフォーム」のメンバーとして、
    また
  • 休眠預金の社会課題解決に向けた活用」というテーマを、2012年ごろから追いかけてきたリサーチャーとして、

両方の目線でお話させて頂きました。

*休眠預金について、過去取り上げたblogやレポートはこちら。

1.「おめでとう休眠預金」を超えて。これから始まる3つのこと。今から備える3つのこと。

2.休眠預金活用法案 成立

3.「今さら聞けない」という方こそぜひ! 〜休眠預金について知るための参考情報5件〜

4.「休眠預金を活かす方法」を考える場~未来構想プラットフォーム、第2回全体会合

 

◆サロンでお話したこと

休眠預金について、殆ど知らない
という方も参加されていた今回のサロン。

そこでサロンでは

  • 今までの経緯の説明
  • 私が知りうる&お話出来る「最前線の情報」
  • どんな「備え」が必要なのか
  • 参加者の皆さん(&ファンドレイザーの皆さん)に期待すること

など、初歩から理解出来るようにお話しました。

一緒にご登壇頂いたのは、NPO法人キッズドア代表の渡辺由美子さん。

休眠預金未来構想PFのメンバーでもあります。

◆参加者の皆さまから頂いた質問

サロンは軽食や飲み物もとりながら、わいわい、がやがやと楽しく進みました。

なにせ「サロン」ですから。「講演」よりも、「応答的な場を」と考え、途中バズセッションを織り込みながら、沢山質問も出して頂き進めていきました。

質問は例えば

  • 休眠預金は単年度で運用されるのか?複数年度なのか?
  • 民間資金獲得のてこにして、って、どういう意味?
  • どうして間に資金分配団体が入るの?
  • 天下り、大丈夫?
  • NPOだけが対象なの?

などなど、バラエティのあるものになりました。

バズセッションの様子

 

休眠預金はまだ設計途上の制度です。
だから、出された質問に完全に回答できる人物はどこにもいないません。

したがって、あくまで私見ではあるのですが、

法案作成時の各所での見解や、

休眠預金未来構想プラットフォームを通じて共有されてきたこと

を元に、今までの議論の中で決まってきたこと、この先の積み残しの課題を整理しながらお話しました。

 

◆今後の焦点

あくまでも自分の視点ですが、現時点で想像し得る「今後の焦点」は、

・指定活用団体がどう設計されるかという点
(この点は、いま開催されている審議会の、基本構想・基本計画が基礎になります)

・誰にどう預けるか、という点
(資金分配団体の選び方・選ばれ方)

・透明性やガバナンス

・その一方で指定活用団体が、現場や資金分配団体との「応答的な関係性」をどう築くのか

・リアルな資金量
(最初から多額を市中に還流させることは考えにくい前提で、オーバーフローを防ぎながら、必要量・インパクトを維持できる量=萎縮や過剰抑制にもならないバランスをどう取るか)

といった点ではないかなと思っています。

そしてその先に、

・良き案件をどう発掘し、組成するのか

・そのための経営支援・伴走支援のあり方とはなにか、担い手とは誰か

・成果をどう確認し説明していくのか

といった点が出てくるのだろうなぁと。

 

◆ソーシャルイノベーションの苗床

自分自身としては、
休眠預金は「ソーシャルイノベーション」を産み出す苗床であるべき、と考えています。

また、単なる政府財源の補填では、その役割を発揮できないと考えています。

 

今後は地方公聴会も予定されていますね。

この先も議論に注目し、社会課題解決の促進やそのための制度設計に向けて、できる貢献を続けて行きたいと思います。

関連記事