「2030年を都市に住む私たちが笑顔で迎えるために」クリエイティブシティーコンソーシアム/SDGsをテーマに登壇しました

先日、クリエイティブシティーコンソーシアムが主催する下記のイベントに登壇させて頂きました。

【クリエイティブシティーコンソーシアムとは】

クリエイティブ・シティ・コンソーシアムとは、「日本が抱える多種多様な課題に正面から向き合いながら、人々が創造性を発揮できる「舞台」としての都市=クリエイティブ・シティを実現する」ことを目的に活動されている団体です。

幹事団体は以下の6企業とのことです。(2016年4月1日時点)

  • カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社
  • コクヨ株式会社
  • 大日本印刷株式会社
  • 東京急行電鉄株式会社(代表幹事)
  • 株式会社日建設計
  • 株式会社三菱総合研究所

【今回のシンポジウムのテーマはSDGs】

今回登壇させて頂いたシンポジウム、テーマはSDGsでした。
※SDGs:「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」

SDGs(持続可能な開発目標)2030アジェンダ
http://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/

当日は、
・基調講演
・パネルディスカッション1
・パネルディスカッション2
という流れで開催されたのですが、私はパネルディスカッション2に登壇しました。

パネルディスカッションII 「多摩川流域およびプラチナトライアングルにおけるSDGs」
中村 秀治 氏:株式会社三菱総合研究所 営業本部長  ※ファシリテーター
保坂 展人 氏:世田谷区長
三浦 淳 氏:川崎市 副市長
平松 宏城 氏:株式会社 ヴォンエルフ 代表取締役、クリエイティブ・シティ・コンソーシアム会員
水谷 衣里 :株式会社 風とつばさ 代表取締役

今回は自分が働き・暮らす街である世田谷・川崎の首長・副市長とご一緒させていただいたこと、クリエイティブシティーコンソーシアムとしてのターゲットが「プラチナトライアングル」であることから、このエリアの可能性について、自分なりに考えを深め、お話する機会になりました。

※クリエイティブ・シティ・コンソーシアムは、二子玉川、渋谷、自由が丘をプラチナトライアングルとし、このエリアにおけるクリエイティブシティの実現を目指している、とのことです。
シンポジウムではさらに大田区や川崎なども含めた多摩川流域の可能性について言及されていました。
(参照:http://creative-city.jp/about/

【都市の持つ最大の資源は『人』であるということ】

ここ最近つくづく思っていることですが、都市の持つ最大の資源は『人』だと感じます。インフラの集積や金融ストックももちろんあるけれども、根源的にはそれではないなぁと思うのです。

当日の基調講演では
・SDGsの実現にはイノベーションが欠かせないこと
・そしてSDGsは実はイノベーションの機会に満ちていること
が繰り返し強調されていました。

イノベーションの源泉は、人と人とが繋がり、共にアクションするところから始まると感じます。

同時に、イノベーションは、人の後押しや応援によってエンパワメントされるところから、より強く広がっていくと感じるます。

【SDGsのゴールは、ソフトインフラが無ければ達成し得ない】

SDGs(持続可能な開発目標)2030アジェンダ
http://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/
に書かれていることを読むとわかることがあります。

それは、SDGsの実現は、ハードインフラだけでは達成し得ないということです。
そして、ソフトインフラを生み出す源も、やはり『人間との人間との有機的で緩やかな繋がり』であると感じます。

【働き方改革がもたらす豊かな時間を、地域に】

もう一つ言及したことは、働き方や生き方の変化のことです。

自分自身も働き方を最近変えた当事者ですが、日本全体に広がっているこの働き方の変化の兆しは、「クリエイティブシティ」に大きな変化をもたらすと感じました。

もし本当に私たちが「働き方改革」の先に、場所に縛られない雇用形態や、人間らしい豊かな時間を手にすることが出来るのであれば。

その時間を自分が住むコミュニティに関わることで充実させようと考える人が登場するはずです。

私自身は今、世田谷にコミュニティ財団をつくるというチャレンジを行っていますが、上記のことは、このチャレンジともつながっていると感じます。

働き方・暮らし方が変わっていく、社会の価値感が変わっていく最中で、私たちがコミュニティに関わる新たな「仕組み」や「しかけ」を持っているかどうかということが、実は私たち都市住民が住むコミュニティの未来を決めるように思うからです。

【2030年を都市に住む私たちが笑顔で迎えるために】

SDGsは2030年をターゲットにゴールを設定しています。
その頃、クリエイティブシティーコンソーシアムがターゲットとする「プラチナトライアングル」はどんな街になっているでしょうか。

私が住んでいる街・世田谷は、2030年には現在の90万人からさらに増え、100万人を突破するという予測が出ています。
同時に進展するのは、高齢者人口の激増です。
http://www.city.setagaya.lg.jp/kurashi/107/157/695/697/d00155187_d/fil/jinnkousuikei.pdf

消費者ではなく、まちを支える担い手を増やさなければ、SDGsが掲げているひとつひとつの目標を、自治体レベルで実現することは難しいのだと思います。

いま、私が直接的に関わっているのは世田谷でのコミュニティ財団設立に向けたアクションですが、これに関わらず、「誰かがやってくれる何かを待っている」のではなくて、自らアクションする人を増やすこと、そのアクションを誘発する仕掛けが必要だと感じます。

以上が、私がクリエイティブシティーコンソーシアムを通じて考えたこと、感じたことの共有です。

【付記:シンポジウムで活用されていた2つの素敵なしかけ】

1)百人会議

今回の会議では、「百人会議」という仕組みが取り入れられていました。
シンポジウムの参加者はおよそ200人くらいはいたでしょうか。参加者が自らスマートフォンやタブレット、PCなどから、会場全体に自分の意見を共有できる仕組みです。

http://medtech-jp.com/
https://www.facebook.com/100ninkaigi/

スクリーン上に様々なつぶやきが流れて行く様子を見ながら(登壇中は段下のモニターに流れるコメントを見ながら)ディスカッションをするのはとても楽しかったです。

東京工科大学で専任教員をしていた頃、大教室での講義でも、学生に能動的に学ぶ場を提供できるよう、ITを使ったインタラクティブな仕掛けを使っていました。百人会議のシステムを見ながら、そのことを思い出していました。
一斉にコメントを行うと同じ空間にいる他者の考えがわかって面白いですし、参加者も「お客さん」から「真の意味での参加者」に変化しますよね。

しかもこのシステム、二子玉川生まれとのことです。二子玉川での未来志向の検討の場にぴったりですね。

2)グラフィックレコーディング

最近あちこちで見られるようになってきた、グラフィックレコーディング。
今回はこんな作品が仕上がっていました。

これもまた、ひとつの成果の可視化だなあ、と。

限られた時間でしたが、
「都市」
「SDGs」
「イノベーション」
「消費者から参加者・担い手へ」

といった、いま自分が大事にしているキーワードを壇上で皆さんとディスカッションしながら深められる、とても良い機会になりました。

ご参加頂いた皆さま、ありがとうございました。東急電鉄の皆さまはじめ、クリエイティブシティーコンソーシアムの関係者の皆さま、登壇でご一緒させて頂いた皆さま、ありがとうございました。

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