WAM 福祉医療機構の助成フォーラム、報告レポートが公開されました!

9月に登壇しましたWAM(福祉医療機構)主催の助成フォーラム。

機構が発行する冊子への掲載と、報告資料が公開になったとのご連絡を頂きましたので、内容を振り返りながら記事を更新してみたいと思います。

■WAM(福祉医療機構)とは

WAMのことをご存じない方もいらっしゃると思いますので少し解説を。

正式名称は「独立行政法人福祉医療機構」。

福祉の増進と医療の普及および向上を目的として2003年10月に設立された独立行政法人とのことです。

旧・社会福祉・医療事業団の事業を承継して誕生した団体ですね。

福祉貸付や医療貸付、共済事業や心身障害を持つ方を対象とする扶養保険事業なども実施されていますが、今回ご依頼頂いたのは「社会福祉振興助成事業」、通称WAM助成に関連してのことでした。

WAM助成とは、NPOやボランティア団体などが行う民間福祉活動を対象とした助成金制度を指します。
国庫補助金を財源とする助成金で、助成の対象は民間の福祉団体です。

 

■フォーラムの内容

今回のフォーラムのテーマは
「協力と対話から見えたもの ~社会とのコミュニケーションがうながす事業の成長」
でした。

私以外の登壇者は3名で、いずれもWAMの助成先団体です。

仙台、岐阜、滋賀とバラエティ豊かに、そして登壇者全員が女性という顔触れとなりました。

■今回のフォーラムの特徴

今回のフォーラムでは、私は基調講演全体のコーディネーターとして登壇させて頂きました。

フォーラムの特徴をひと言で言いますと、「相当な手間暇をかけたフォーラムだった」という点に凝縮されるかなと思います。

まず、フォーラム全体の設計と、「何をどのように伝えるか」を考える観点から、WAMさんの素案を基に発表者の皆さんの現場をそれぞれ、訪問させて頂きました。

また登壇者の皆さんには、現場訪問やオンラインミーティングを通じて活動内容を詳しくヒアリングさせて頂きました。

ヒアリング後、ご発表資料をまとめて頂く過程では、繰り返し打ち合わせをさせて頂き、僭越ながら資料へのアドバイスも事前にさせて頂いた次第です。

またそれは結果として、事業そのものの振り返りの機会や、事業の中身のアップデートや今後の展開可能性を共に考える時間にもなっていたのではないかと思います。

上記のようなプロセスを経て得られた学びは、フォーラムの最後には「私なりの視点」として、今回のテーマに引き付けて整理し、参加者の皆さんへフィードバックしました。

フォーラムの最後、パネルディスカッションの様子

セッションの様子。1つの事例を掘り下げながら内容を紐解く観点から、登壇者の皆さんとの対話セッションも持たせて頂きました。

■フォーラムという場を通じて、成長と振り返りの機会を丁寧に作り出す

上述の通り、役割としては「キーノートスピーチ」と「コーディネーター」だったわけですが、

  • 登壇者の皆さんとの事前のやり取りに関しては、どちらかというとアドバイスや活動の意味づけを行うメンター的な役割を
  • コーディネーターとしては、事業を通じて実践者の皆さんが生み出してきた価値を、リサーチャーとしての視点から読み解き、参加者へ伝える役割を

担っていたように思います。

前者については、「その場のコーディネート」を超えて、団体へのアドバイスやメンタリングを行いながら、当日を迎えていったようなイメージです。

後者については、私自身も登壇者の皆さんの実践を読み解きながら、登壇者と参加者のコミュニケーションの橋渡し役、また「参加者の学び」のオーガナイザー役を担っていたように感じています。

登壇者の皆さんにとってもご負担が大きい進め方だったと思いますが、それぞれの団体の代表者の皆さんが、むしろ「学びの機会」「振り返りの機会」として積極的に活かして下さいました。

また事務局の皆さんも、大変熱心にご尽力下さいました。

そして、嬉しいことに皆さんのご努力のお陰で、参加者からのアンケートの結果は驚異的な高評価でした。

自由回答の記載も、驚くほど前向きな内容で、コーディネーター冥利につきるなと感じた次第です。

しかしこれは、現地訪問やオンラインでのセッションなどを通じて、事例を読み解く機会を持てたからこそだったと思います。

これについて、客観的に見れば、そこに資源を割く人的・財政的体力のあるWAMさんだからこそ出来た部分もあると思います。

しかし世の中には資源があってもチャレンジせずに終わるケースも沢山あるわけです。そうした中でWAMさんが今回、見せて下さった「成果や学びの共有」にリソースを割こうという姿勢は心から素晴らしいと思いましたし、そうした事務局側の努力はもっと知られるべきだと思いました。

事務局にも登壇者に恵まれた、大変良い時間を生み出せたことに感謝したい、そんなフォーラムだったと思います。

登壇者の皆さんと

私自身は、セッションやセミナーなど、様々な役割や立場を常日頃から打診頂きます。

一期一会のワンショット、一回限りの場ももちろんやりがいを感じますが、今回のように積み重ねて咀嚼し、現場の担い手の成長を育む機会として活かすことにはまた特別な意味があるなと感じたフォーラムでした。

また、改めて、作り込み、設計された成果共有は、

  • 助成成果や価値を最大化させる上でも
  • 実践者の方ご自身に振り返りの機会をもたらす意味でも

価値深い手法の1つだと感じることが出来ました。

■当日の様子、公開されています。

先日、フォーラム当日の様子が公開になりました。

当日の資料はこちらに掲載されています。
https://www.wam.go.jp/hp/r1_wam_josei_forum_report/

また機関紙には会の最後のパネルディスカッションの様子が掲載されています。

WAMさんの機関紙(12月号)

フォーラムの様子を掲題頂いたページ

読んでいただくだけでも、きっと実践の素晴らしさ、協力や対話の持つ価値を感じて頂けると思います。

皆さまぜひ、御覧頂ければ幸いです。

改めまして、WAMの皆さま、ありがとうございました!

ご一緒させて頂いた事務局の皆様と。事務局の皆様もお疲れ様でした!

 

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