地域金融が生み出すジブンゴト〜補完で育てる生態系〜
日本財団ソーシャルイノベーションフォーラムにて。今日は「地域金融が生み出す“ジブンゴト”」をテーマにお話させて頂きました。
◆ご一緒した登壇者
今回ご一緒したのは
- プラスソーシャルインベストメント(PSI)代表取締役の野池雅人さん
- 飛騨信用組合の常勤役員の古里圭史さん
のお二人です。
野池さんからは、再生可能エネルギー事業やソーシャルインパクトボンドなど、まさにローカル&ソーシャルファイナンスの最前線をお話頂きました。
古里さんからは、地域活性化ファンドである「さるぼぼ結ファンド」、クラウドファンディングFAAVO飛騨・高山の運営、電子地域通貨の取り組みなど、地域金融機関らしさを活かした意欲的な実践をお話頂きました。
そして私は、国内外の取り組みのソーシャルファイナンスの現状と、世田谷でのコミュニティ財団設立に向けたチャレンジがどう繋がっているか、お話しました。
◆パネルトークを通じてわかった、それぞれの役割
パネルトークを通じて、
・ソーシャルインベストメントのけん引役であるPSI
・協同組織系&地域金融機関である飛騨信用組合
・コミュニティ財団
の3者は、それぞれに違う役割を果たしながら、互いを補完し、より良い金融の在り方を提示することができる、と感じました。
PSIは、とても先進的・実験的な社会的投資を仕掛けることが出来ます。
でも規模を効かせるにはまだ少し時間がかかる。
マーケットからの信頼をこれから培う必要がある。
飛騨信用組合は、地域金融機関としては規模は決して大きくはない。
それでも17店舗・170人を超えるスタッフを抱え、何よりも地域から2500億円弱の預金を預かっている。
そして、飛騨・高山を中心とする営業エリア11万人と共に、地域の未来を担わざるを得ない。
コミュニティ財団はまた数は少なく規模は小さい。
けれど事業者に丁寧に寄り添いながら、金融のステージに上がる手前を支えたり、共感の資金を開拓し、「信頼や応援という名の資本」を寄付や助成という形で可視化する機能を持っている。
また一般市民が参加しやすい仕掛けや仕組み、場をふんだんに生み出す事が出来る。
こうした主体がそれぞれの役割を発揮することで、
- 課題解決の担い手をより良く・より早く発掘し育てる
- 出資や寄付を通じて「地域への参加の形」を提示する
といったことが可能になっていく、と。
◆互いが学び、補完する
このプロセスは、互いが互いから学び、補完する機会にもなると感じました。
それは、
・地域金融機関から投資を受け、より大規模な資金調達を行う
といった資金調達面での連携はもちろん
・PSIがリスクを取って、チャレンジャーを応援する姿勢から、地域金融機関は自らの原点を見つめ直す機会を得る
・金融商品を共に作り出し、その試行錯誤から互いが学ぶ
といったことも含まれます。
そしてそうしたプロセスを通じて、社会的課題の解決に取り組むチャレンジャーを増やし、それを応援するサポーターを見出す事が、ローカルファイナンス・ソーシャルファイナンスの進展と社会的課題解決の促進に何よりの効果をもたらすと感じました。
お2人とは従前からの知り合いですが、こうやってパネルをご一緒するのは初めて。
それぞれ違う立場から、でもローカルファイナンス、ソーシャルファイナンスの実践を重ねていらっしゃるということを、フロアの皆さんにも共有出来たのではないかと思います。
遠方からお越し下さったお二方、ありがとうございました!!