選考委員を務めました(山田進太郎D&I財団、STEM/理系女子奨学金)
■2022年度の奨学生が決定!
2021年に誕生した、公益財団法人 山田進太郎D&I財団。
お声がけ頂き、奨学生を選定する、選考委員を務めました。
先日、選考結果が通知され、選考委員が公開となったことから、本投稿をPOSTです。
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山田進太郎D&I財団 ウェブサイトのスクショです。
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こちらも財団ウェブサイトのスクショから。10名の選考委員の皆さんとご一緒しました。
■山田進太郎D&I財団とは?
山田進太郎D&I財団は、メルカリの創業者の山田進太郎さんによって設立されたフィランソロピー財団です。
「すべての人が、好きなことを目指せる社会に」を掲げ、誰もが自身の能力を最大限に発揮できる社会の実現へ寄与することを目的として設立されました。
設立後、第1弾のプロジェクトとして始まったのが、「理系進学を希望する女子生徒に対する給付型奨学金の提供」です。
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財団トップページから
■依然として低い女子生徒の理系進学と、根強いジェンダーギャップ
日本において、「自然科学・数学・統計」「機械・工学・建築」といったSTEM分野は、女性の割合がOECD諸国の中でも極端に低いといいます。
背景にはロールモデルの少なさがあると思います。
また、日本全体で見ると、男性と女性とで、進学率に差があるのは事実です。
生涯年収の低さ、結婚や出産により働くことをあきらめたり、非正規雇用へと移行せざるを得ない現実も、「女性には教育投資をしても無駄」という固定観念を助長しているように思います。
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男性と女性とでこれだけ違う平均給与。令和5年の男女共同参画白書からのスクショです。
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女性の就業率は向上したと言われますが、正規雇用比率は20代後半をピークにガクっと低下します。
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こうして見ると、高額・理学の女子学生の進学割合の低さは際立ちますね。
就学段階で、周囲からの反対やロールモデルの少なさによって、理系進学をあきらめる女子生徒もまだまだ存在する、そうした現実に一石を投じよう、と始まったのが、今回のSETM女子奨学助成金プロジェクトです。
プロジェクトでは、日本におけるSTEMのジェンダーギャップ改善へ向けて、STEM分野の大学入学者女性比率をOECD平均並の28%にすることを目標にしているといいます。
■誰もが自身の能力を最大限に発揮できる社会へ
山田進太郎D&I財団が目指すのは、「誰もが自身の能力を最大限に発揮できる社会の実現」とのことです。
私も今回、奨学金の選考に関わらせて頂いて、小さい頃からの志や願い、「好き」や「楽しい」を仕事にしたいと願う申請者の皆さんの思いに触れることができました。
特に都市部ではなく、地方部に住む女子生徒の皆さんの「学びたい」という意欲には(自分も地方出身者であるということもあり)心が動きました。
生まれた場所の偶然や周囲の固定観念にもとらわれない生き方を支えるために、教育の機会の提供はとても大切だと思います。
次回の奨学生募集は、2023年7月に開始を予定しているとのこと。より広い方々に、夢をかなえる機会が届くように、と思います。
まずは今年度、奨学金を得た学生の皆さんの夢が、この先大きく広がりますように。
そしてそれがまたひとつのロールモデルとなり、自分らしい生き方ができる人が一人でも増えていきますように。