【執筆しました】「次世代エンパワメント実現に向けたTheory of Change」

サントリーホールディングス株式会社さんとご一緒している「次世代エンパワメントプログラムに“君は未知数”」

「子どもたちが自分の人生に希望を持てる社会をつくる」。

そんな願いのもとに生まれた社会貢献プログラムです。

<君は未知数webサイトから>

新たなプログラムを立ち上げるにあたり、サントリーHDの皆さまと、昨年度から長く議論を重ねてきました。

“君は未知数”は3年間で総額10億円を拠出するという、大規模かつ複合的な社会貢献プログラムです。

またサントリーのパーパスにある「人間の生命の輝き」と深く結びついたプログラムでもあります。

そんな“君は未知数”でのチャレンジを通じて、サントリーは何をすべきか。そして社会にどんな働きかけを行うのか。

そんなことを深く議論し、とりまとめを行いまして。

昨日ついに、その一端が下記の通り公開となりました。

—-

●次世代エンパワメント実現に向けたTheory of Change
~子どもたちが自分の人生に希望を持てる社会を目指して~

<PDF(冊子)へのリンク>
https://www.suntory.co.jp/company/csr/kimi_wa_michisu/file/toc.pdf

<“君は未知数”webサイトへのリンク>
https://www.suntory.co.jp/company/csr/kimi_wa_michisu

—-

<今回公開された冊子の表紙から>

■「セオリー・オブ・チェンジ」とは何か?

Theory of Change(ToC)とは、「目指す未来を実現するために、どのような道すじを辿りながら変革をつくり出すのか、その仮説を包括的に述べたもの」です。

今回の公表資料では、「次世代エンパワメント」という観点から

  • 子どもたちが直面している構造的な社会の課題は何か?
  • NPO等の支援者は、どんな問題構造を抱えているのか?
  • サントリーとして、どんな未来を願うのか?
  • その未来を実現するために、どんな変化が必要なのか?
  • その変化のために、サントリーは何をするのか?

といった点が、ひとつの冊子として取りまとめられています。

<こちらはTocの全体像です。後ろのページには、長期成果&途中成果ごとにさらなる構造化を行っています。>

■なぜToCを描いたのか?

今回、ToCを描いた背景には、

社会課題の解決に至る道すじを1つの仮説として可視化することで、多様な方々との協働や共創を生み出しやすくしたい」という意図があります。

当初、「新たな社会貢献活動の全体像を整理したい」とご依頼いただいたのは昨年度のこと。

そこから半年ほどかけて、CSR推進部の皆さまと集中的な議論を行いました。

その中で、はっきりと打ち出されていたのは、

課題を共有し、目指す未来に向けて、サントリーだけで閉じるのではない、多様な方々との協働・共創を実現したい」というご趣旨でした。

色々とお話しを伺い、議論を重ねる中で、「やはりこれはTheory of Changeが必要ではないか?」という結論に至り、そこから相当な時間をかけてディスカッションを実施。

お台場のオフィスに何度も伺い、WSを重ねまして。

問題構造を分析し、目指す未来を言語化し、ToCを描きました。

これをさらにわかりやすく、伝わりやすく表現しようと試行錯誤を重ね、加筆修正も重ねて取りまとめた結果が、今回の公表資料にあたります。

<こちらは「子どもたち」を巡る問題構造を視覚化したもの。次ページには加えてNPO等の支援者側の課題の構造化も記されています。>

■今回のToCの特徴

今回のToCの特徴は、「サントリーだけで閉じるものではない」ことだと思います。

もちろん冊子には「サントリーが目指すこと」や「担うこと」が書かれています。

しかし同時に、

・「子どもたちが自分の人生に希望を持てる社会をつくること」は、「サントリーだけで実現できるものではない」こと、その上で

・「真に実りある成果につなげるために、ToCをひとつのベースとして、異なる他者と対話しながら実践を重ねる」こと、そして

・「セクターを超えた協働や連携を進め、コレクティブインパクトを創出していくこと」

がはっきりと掲げられています。

つまり、

一民間企業として役割を果たす意思を表明しながら、自分たちが決して万能ではないことを前提に、業種業態、セクターを超えた協力を呼びかけ、「共に担おう」「協力しよう」という、はっきりとした意思表示が行われているのです。

このこと自体が、今回のToCの価値であり、特徴だと私は考えています。

<長期成果に至る道すじを構造化した上で、その実現に向けて、サントリーがどのポイントを担うのか、右側にまとめられています。>
<こちらは「NPO等の支援者」を念頭に置いた3つの途中成果をそれぞれ構造化したもの。上のページと同様、「サントリーのアクション」は右側にまとめられています。>

■ぜひご一読を!

プロセスを重ね、自分も思考を深められたのは、サントリーの皆さまの強いコミットメントがあったからこそ、でした。

ひとつのアウトプットを作るのは、本当に大変なことでして。

ホワイトボードに向かい、付箋に記し、議論し、資料にまとめ……。

そんなことの繰り返しなわけです。

知的な意味での体力も必要ですし、議論には時間がかかります。

それでもそのことを前向きに捉え、「むしろ我々にとって必要なプロセスだから」と議論を尽くす姿勢を一切崩すことのなかったサントリーの皆さま。
心から尊敬でした。(そしてとても助けられました。)
そして「ほんとうにほんとうに、真剣に向き合われているのだな」と思わされました。

公開となりました今回のTheory of Change、冊子の中身をぜひご一読頂きたいです。

そして何より「ToCをベースに、何か一緒にできることはないか?」という目線で見て頂けると、本当の意味で、この冊子が活かされることにつながると思います。

2025年01月21日 | Posted in 記事・執筆・公表資料, 風とつばさでのしごと | タグ: , Comments Closed 

関連記事